一級建築士試験情報

一級建築士設計製図試験のエスキスを時間内にまとめるための対策

エスキスに時間がかかる原因と対策

エスキスに時間がかかる、エスキスがまとまらずに作図が始められないなど、エスキスがうまく進められないことがある。その原因と対策を考えてみる。

1.コア位置をどこにしたらよいか迷う

コア(階段・EV)の位置をどこにしようか迷ってしまうというケースだ。利用者のためのメインコアと管理者のためのサービスコアがあり、その2つのコアをどこに配置しようか考えると、それだけで時間がかかってしまう。この対策としては、2つのコアをまずはここに配置するという標準形を決めてしまうことだ。私はどんな課題でも下記の位置をデフォルトの配置としていた。



とりあえず上図の位置でエスキスを進めていき、必要に応じてコアの位置をずらす。ずらすときに注意したいのが、メインコアとサービスコアは2スパン以上離して配置することだ。横6スパン×縦4スパンのフロアの場合、2スパン以上離さないと避難距離の確保が難しくなる。横5スパン×縦4スパンの場合も、コアから遠い位置に教室や固定席の室があると、室の内部を斜めに避難できないので避難距離がギリギリになることが多い。
また、北側斜線がかかる場合、サービスコアの位置に注意が必要。サービスコアの階段は大抵屋上までアクセスできるように塔屋を設けるが、北側斜線は塔屋にあたってはいけないので、サービスコアを南側に1スパンずらしたほうが北側斜線違反を回避しやすい。

2.スパンの数や寸法をいくつにしたらよいか迷う

横と縦のスパンの数をいくつにするか、スパンの寸法を何mにするか迷ってしまうケース。スパンの数の対策は、スパンの数は横6コマ×縦4コマか、横5コマ×縦4コマのどちらかにする。また、スパンの寸法の対策は、7m×6m、7m×7m、7m×8mの3パターンから建築可能範囲の寸法に応じて選ぶ。

3.各要求室を何階に配置したらよいか迷う

各要求室を何階に配置しようか悩んでしまうケース。これは室同士のつながりを考えることが対策になる。例えば、要求室表で各要求室が「○○部門」「□□部門」と別れていれば、「○○部門は1階・2階、□□部門は3階」というように、それぞれの部門のコマ数合計に応じて階別ゾーニングを行う。
部門分けが指定されていない場合は、室のつながりを考える。例えば、音が発生しやすい室をまとめて配置する、利用者が行き来すると想定される室をまとめて配置するなど、利用者の利便性を考慮して考える。

4.要求室が器に納まらない

要求室を倍コマや1/400平面図に並べていくと納まらなくなるケース。これは要求室の合計コマ数に対し、余裕を持った器にしていないと発生する。要求室のコマ数の合計に廊下・トイレ・コアなどの分として1フロア5コマ足すというような方法で建築物の合計コマ数を出すと、要求室の眺望やほかの室とのつながりを考えると納まらない場合が発生する。これの対策としては、建築物の器をできるだけ大きく取る。建蔽率や斜線制限を満たせる範囲で建築面積を大きく取り、器のコマ数を多く確保しておく。もしコマが余ってしまったら、吹抜けや屋上庭園を設けたり、休憩コーナー、防災備蓄倉庫などの自由提案の室を配置すればよい。

5.プランがしっくりこない

建築物の外形や内部レイアウトが最善と思えず再考してしまうケース。基本的に、エスキスは時間をかければかけただけ良いプランになっていく。ただし設計製図試験は時間制限があるので、プランを磨き上げる時間はない。

完璧を求めない

設計製図試験で大事なことは、
@法令違反をしない
A構造NGをしない
B要求違反をしない
の3点に尽きるので、この3点を満たした上で軽くレイアウトを整えるくらいのところでエスキスを終えるという意識をもつことが大事だ。必要以上にプランを磨き上げる時間を削減して、最終チェックの時間を長く確保したほうが、ミスを修正できて合格に近づけることができる。


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